S&P500に投資は今からでは遅い?初心者が誤解しやすい点
S&P500に興味はあるものの、
「もう上がりすぎているのでは?」
「今から始めても遅いのでは?」
そんな不安を感じていませんか。
相場が好調なほど、「高値で買ってしまうのでは」という気持ちは強くなります。
これはとても自然な感情です。
トレンドを見ると、もう遅い気がして不安になるんだよね…
その感覚は多くの方が感じます。ですが、長期投資では少し違った見方もあります。
この記事では、S&P500は本当に今からでは遅いのか、そして初心者が誤解しやすいポイントを整理します。
■ S&P500とは
S&P500とは、アメリカの代表的な企業500社で構成される株価指数です。
IT・金融・医療・消費など幅広い業種が含まれており、
米国経済全体の成長を反映しやすい指数とされています。
個別企業ではなく、複数の企業に分散して投資できるため、長期投資との相性が良いと考えられています。
また、企業の入れ替えを行いながら成長企業に投資し続ける仕組みも特徴です。
500社に分散されてるなら安心感あるね。
個別株よりもリスクが分散されやすい点が魅力ですね。
S&P500の基本的な仕組みをより詳しく知りたい方は、
👉「S&P500とは?」も参考にしてみてください。
■ S&P500は本当に「遅い」のか
結論から言うと、
「遅いかどうか」は短期目線で生まれやすい不安です。
S&P500はこれまで何度も「もう高い」と言われてきましたが、長期では企業の成長とともに上昇を続けてきました。
つまり、
・今が高値に見える
・過去と比べて上がりすぎに見える
こうした印象はあっても、長期投資では必ずしも「遅い」とは言えません。
■ これまでも「もう遅い」と言われてきた
S&P500は過去にも何度も「上がりすぎ」と言われてきました。
例えば、
・2013年:回復局面で「上がりすぎ」と言われた
・2017年:史上最高値更新でバブル懸念
・2020年:コロナ後の急回復で実体経済との乖離が指摘
・2021年:ハイテク株主導で過熱感が話題に
しかし振り返ると、その後も長期では成長を続けてきました。
「もう遅い」と感じた瞬間は、過去にも何度もありました。
そして、その多くが長期では遅くなかったとも言えます。
■ S&P500はどれくらい下がることがあるのか
長期で成長しているS&P500ですが、途中では大きな下落も経験しています。
・2000〜2002年 ITバブル崩壊:約49%下落
・2007〜2009年 リーマンショック:約57%下落
・2020年 コロナショック:約34%下落
・2022年 金利上昇局面:約25%下落
このように、20〜50%程度の下落は長期投資の中で起こり得るものです。
ただし、その後に回復してきた歴史もあります。
つまり暴落は「異常」ではなく、
長期投資の途中で起こる可能性のある自然な出来事とも言えます。
そして実際に、市場は時間をかけて回復してきました。
・ITバブル後:約7年で高値更新
・リーマン後:約5年半で高値更新
・コロナ後:約5カ月で高値更新
半分も下がることがあるの…?
はい。ただ、問題は“暴落が起こるかどうか”ではなく、“暴落時に続けられるかどうか”なのかもしれません。
暴落時の考え方については、
👉「暴落が怖いと感じたときに読む」も参考になるかもしれません。
■ 平均年利は「安定して増える」という意味ではない
S&P500は長期で見ると、年平均リターンはおよそ9〜10%前後と言われています(期間の取り方で前後します)。
ただしこれは、
毎年その割合で増え続けるという意味ではありません。
実際には、
・大きく上昇する年
・横ばいの年
・大きく下落する年
こうした値動きを繰り返した結果としての平均です。
つまり平均年利とは、
下落と上昇を含めた長期の結果だと言えます。
平均は「安心の数字」ではなく、
途中の揺れを含めてたどり着く結果とも言えます。

複利の仕組みを理解すると、この考え方がさらに分かりやすくなります。
👉「複利とは?」も参考にしてみてください。
■ S&P500が長期で成長してきた背景
短期では大きく上下するS&P500ですが、長期では成長してきた背景もあります。
主な要因としては次のようなものが挙げられます。
■ 人口増加と経済活動の拡大
人口が増えることで消費やサービスの需要が生まれ、企業の売上や利益の成長につながります。
経済活動が続く限り、企業の価値が積み上がりやすい構造があります。
■ 技術革新による生産性の向上
インターネット、スマートフォン、AIなど、技術革新は新しい市場を生み出し、企業の成長を加速させてきました。
過去を振り返っても、技術革新は市場成長の大きな原動力となっています。
■ 資本主義の仕組み
利益を生み出す企業に資金が集まり、成長する企業が市場に残り続ける仕組みも、長期成長の背景のひとつです。
投資家は将来性のある企業に資金を投じ、
企業はその資金を使って事業拡大や研究開発を行います。
利益が増えれば企業価値も高まり、
さらに資金が集まるという循環が生まれます。
この循環こそが、資本主義の特徴です。
・私たちの消費行動が企業成長を後押しする
さらに、私たちは日々、
・より便利なものを選び
・より良いサービスにお金を使い
・成長する企業を支持します
その選択の積み重ねが、成長企業の売上や利益を押し上げます。
株式市場は単なる数字の世界ではなく、
人間の「より良くなりたい」という心理の集合体とも言えます。
■ 企業の入れ替えが成長を支える
S&P500は企業の入れ替えが行われるため、
衰退する企業だけが残り続けるわけではありません。
つまり、
成長企業が指数の中に組み込まれ続けやすい構造を持っています。
市場は偶然ではなく、
成長を残し続ける方向に調整されていく仕組みを持っています。
■ インフレと企業収益
物価上昇は現金の価値を下げる一方で、企業の売上や利益はインフレとともに伸びやすい傾向があります。
そのため株式は、インフレに対して比較的耐性を持つ資産とも言われています。
ちゃんと上がる理由もあるんだね!
はい。不確実性はありますが、成長の背景を知ることで不安は少し和らぐと思います。
株式市場は「楽観」だけで上がるのではなく、
企業の利益成長という現実の積み重ねで拡大してきた側面があります。
■ 複利のような成長が起こる理由
株式市場が長期で複利のような成長を続けてきた背景には、
企業そのものが複利的に成長していく構造があります。
企業は、
・資金を集める
・設備投資や研究開発を行う
・事業を拡大する
・利益を増やす
・そして再び投資を行う
このサイクルを繰り返しながら成長していきます。
企業は利益を再投資することで、翌年の利益を生む“土台”そのものが大きくなっていきます。
つまり株式市場の成長は、
企業の利益成長が積み重なった結果とも言えます。

会社も複利みたいに成長してるんだね。
はい。企業の利益成長が積み重なることで、長期的な市場成長につながっていると感じています。
■ 初心者が誤解しやすいポイント
高値=危険と思ってしまう
株式市場は長期的に成長する傾向があるため、
高値更新そのものは珍しいことではありません。
しかし、ニュースなどで「最高値更新」と聞くと、
・今から買うのは危ないのでは
・もう上がりきったのでは
と感じやすくなります。
ただ、過去を振り返ると、
「その時点の高値」が後から見ると通過点だったことも少なくありません。
高値だから危険というよりも、
長期で見るか、短期で見るかによって印象が変わるとも言えます。
一括投資の前提で考えてしまう
「今が高いなら、今まとめて買うのは怖い」
こう考えてしまうのは自然です。
しかし、積立投資であれば
・高いときも買い
・安いときも買い
・価格を平均化していく
という仕組みになります。
そのため、「今が高いかどうか」に対する不安は、一括投資よりも小さくなりやすいです。
タイミングを完璧に当てるよりも、
時間を分散するという考え方もあります。
この考え方は「ドルコスト平均法」と呼ばれます。
👉ドルコスト平均法を初心者向けにまとめた記事はこちら。
積立投資の本質については、
👉「積立投資は退屈だからこそ勝ちやすい」もあわせてどうぞ。
短期目線になってしまう
投資を始めたばかりの頃は、
どうしても「数か月後どうなるか」が気になってしまいます。
しかし、S&P500のような指数投資は、
数年単位よりも、10年・20年といった時間軸で考えるものです。
短期では下落することもありますが、
長期では企業の利益成長が積み重なってきました。
長期投資では、
タイミングよりも継続のほうが結果に影響しやすいと感じています。
「今が高いかどうか」よりも、
「続けられる仕組みかどうか」のほうが長期では重要です。
■ 「遅い」と感じる心理の正体
・過去の安い価格と比較してしまう
・上昇に乗り遅れた感覚
・含み損を避けたい心理
これらはとても自然なものです。
人は「後悔」や「損失」を強く避けようとする性質があります。
だからこそ、「今はやめておこう」と思ってしまうのです。
安かったときに買えなかったのが気になるんだよね…
過去の価格は変えられませんが、これからの時間は誰にでも平等にあります。
■ 今から始めるメリット
・時間を味方にできる
・経験値が積み上がる
・複利が働き始める
完璧なタイミングを待っている間にも、時間は過ぎていきます。
小さく始めることで、値動きに慣れ、自分のリスク許容度も分かってきます。
複利は「始めた瞬間」から働き始めます。
早く始めるほど、“時間”という最大の武器を使えるようになります。
■ 不安を減らすための考え方
・少額から始める
・積立でタイミングを分散
・評価額を見すぎない
暴落そのものよりも、
暴落時に投資をやめてしまうことのほうが長期では影響が大きい場合があります。
価格が下がることよりも、
「不安になって積立を止めてしまうこと」のほうが、
将来のリターンに影響しやすいからです。
だからこそ、
最初から“続けられる仕組み”をつくっておくことが大切です。
新NISAで始める場合の基本は、
👉「新NISAとは?」もあわせて読んでおくと安心です。
■ まとめ
S&P500への投資が「今からでは遅い」と感じるのは自然なことです。
しかし、
・常に高値更新は起こりうる
・20〜50%の下落は自然
・平均年利は上下を含めた結果
・タイミングより継続が重要
といった特徴があります。
完璧なタイミングを待つよりも、
小さく始めて続けることが将来の安心につながると感じています。
遅いかどうかよりも、「続けられるかどうか」が長期投資ではいちばん大切だと思います。
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