初心者が株を選ぶときに見るべきポイント|業績・配当・株価だけで選ばない考え方
株に興味を持ち始めると、次に気になるのが、
「どの株を買えばいいの?」
「有名な会社なら安心なの?」
「株価が安い会社を買えばいいの?」
「配当金が高い株を選べばお得なの?」
ということではないでしょうか。
株は、自分で会社を選んで投資できるのが魅力です。
一方で、何となく名前を知っている会社を買ったり、株価の安さだけで選んだりすると、思わぬ失敗につながることもあります。
この記事では、初心者が株を選ぶときに見ておきたいポイントを、できるだけやさしく整理します。
なお、この記事は短期売買で利益を狙う方法ではなく、長期投資を前提にした株の選び方として解説します。
株そのものの仕組みから確認したい方は、先に「株とは?初心者にもわかるようにやさしく解説」もあわせて読むと理解しやすいです。
この記事でわかること
- 初心者が株を選ぶときに最初に見るべきポイント
- 株価が安いだけで選んではいけない理由
- 配当金や株主優待を見るときの注意点
- 初心者がやりがちな失敗例
- 投資信託と個別株の使い分け方
- 初心者が避けたい銘柄の特徴
株を選ぶとは「会社を選ぶ」ということ
株を買うということは、その会社の一部を持つということです。
つまり、株を選ぶときは単に、
「株価が上がりそうか」
「配当金がもらえそうか」
「有名な会社か」
だけを見るのではなく、
その会社がこれからも利益を出し続けられそうか
を考えることが大切です。
株は、画面上では数字として表示されます。
しかし、その裏側には実際の会社があります。
商品やサービスを売っている会社。
利益を出している会社。
借金を抱えている会社。
成長している会社。
苦戦している会社。
株価だけを見ると見えにくいですが、株を選ぶということは、そうした会社の中身を見ることでもあります。
初心者はまずこの3つだけ見ればOK

株を選ぶときに見るポイントはたくさんあります。
業績、財務、配当、株価、事業内容、将来性、株主優待など、調べようと思えばいくらでも出てきます。
ただ、初心者が最初から全部を完璧に見る必要はありません。
まずは、次の3つを意識すると迷いにくくなります。
1. 事業内容が理解できるか
最初に見るべきなのは、その会社がどのような事業で利益を出しているのかです。
たとえば、
- 食品を売っている会社
- 自動車を作っている会社
- 通信サービスを提供している会社
- 銀行や保険などの金融サービスをしている会社
- ゲームやアプリを作っている会社
など、会社によって事業内容はさまざまです。
初心者の場合、いきなり難しい業界を選ぶよりも、まずは自分が理解しやすい会社から見るのがおすすめです。
「この会社は何を売っているのか」
「どうやって利益を出しているのか」
「これからも必要とされそうな事業なのか」
このあたりがまったくイメージできない会社は、初心者にとっては少し難しい投資先かもしれません。
2. 売上や利益が安定しているか
次に見たいのが、会社の業績です。
業績とは、ざっくり言えば会社の売上や利益のことです。
見るポイントは、
- 売上は安定しているか
- 利益は出ているか
- 赤字が続いていないか
- 一時的な好調だけではないか
といった部分です。
もちろん、毎年きれいに右肩上がりの会社ばかりではありません。
景気や為替、原材料価格などの影響で、一時的に業績が悪くなることもあります。
ただし、初心者の場合は、あまりにも業績の変動が激しい会社や、赤字が続いている会社は慎重に見たほうがよいです。
株価が安く見えても、業績が悪化している場合は、さらに株価が下がる可能性もあります。
3. 無理のない配当かどうか
配当金を目的に株を買いたい人も多いと思います。
配当金とは、会社が利益の一部を株主に還元するお金のことです。
ただし、配当金を見るときは、
高いかどうか
だけでなく、
無理なく続けられそうか
を見ることが大切です。
たとえば、利益が減っているのに高い配当を出し続けている会社は、将来的に配当を減らす可能性があります。
専門的には「配当性向」という指標があります。
これは、会社の利益のうち、どれくらいを配当に回しているかを見るものです。
初心者のうちは細かい計算までできなくても大丈夫です。
まずは、
「利益に対して無理な配当をしていないかな?」
「業績が悪いのに配当だけ高く見えていないかな?」
という視点を持つだけでも十分です。
株を選ぶポイントって多いけど、初心者は何から見ればいいのかな?
まずは「事業内容がわかるか」「売上や利益が安定しているか」「配当が無理をしていないか」の3つからで大丈夫です。
実際に株を買うために必要な金額を知りたい方は、「株は何円から買える?最低金額と少額で始める方法を初心者向けに解説」も参考になります。
株価が安い=お買い得とは限らない
初心者がやりがちな勘違いのひとつが、株価が安い会社ほど買いやすくてお得と考えてしまうことです。
たとえば、1株500円の会社と1株5,000円の会社があったとします。数字だけ見ると、500円の会社のほうが安く感じます。
しかし、株価だけでは本当に割安かどうかはわかりません。
大事なのは、その会社の利益や価値に対して、株価が高いのか安いのかという視点です。
株価が安くても、業績が悪くて将来性に不安があるなら、安い理由があるかもしれません。
反対に、株価が高く見えても、利益をしっかり出していて成長している会社なら、それだけ評価されている可能性もあります。
初心者のうちは、「株価が安いから買う」ではなく、「なぜその株価なのか」を少し考えることが大切です。
株価が安い会社って、お得に見えるけど買ってもいいのかな?
安いこと自体は悪くありませんが、「なぜ安いのか」を見ることが大切です。業績悪化で下がっている場合もあります。
株価がどう決まるのかを知っておくと、株選びの考え方も理解しやすくなります。詳しくは「株価とは?初心者でもわかる仕組みと動く理由」で解説しています。
初心者がやりがちな失敗例
ここでは、初心者がやりがちな株選びの失敗を見ていきます。
株価が下がっている理由を調べずに買う
株価が大きく下がっている銘柄を見ると、
「今なら安く買えるかも」
「下がったなら、あとは上がるだけでは?」
と思ってしまうことがあります。
しかし、株価が下がっているのには理由があります。
一時的な市場全体の下落ならまだしも、会社の業績悪化や不祥事、将来性への不安が原因で下がっている場合は注意が必要です。
安いから買うのではなく、なぜ安くなっているのかを見ることが大切です。
SNSで話題の銘柄を勢いで買ってしまう
SNSで話題になっている株を見ると、つい気になってしまいます。
「みんなが買っている」
「急騰している」
「まだ間に合うかも」
そう感じて買いたくなることもあるでしょう。
ただ、話題になっている時点で、すでに株価が大きく上がっていることもあります。
そのタイミングで買うと、高値づかみになってしまう可能性があります。
話題性だけで買うのではなく、自分でも事業内容や業績を確認することが大切です。
高配当だけを見て買ったら減配された
配当利回りが高い株は魅力的に見えます。
しかし、配当利回りが高く見える理由が、株価の大幅下落である場合もあります。
たとえば、業績が悪化して株価が下がると、表面上の配当利回りは高く見えることがあります。
しかし、その後に会社が配当を減らすこともあります。
高配当株を選ぶときは、
「この配当は続きそうか」
「利益に対して無理な配当ではないか」
「業績は安定しているか」
も一緒に見たいところです。
優待目当てで買ったら優待が廃止された
株主優待も、個別株の楽しみのひとつです。
食品、割引券、商品券、自社サービスの優待など、会社によってさまざまな優待があります。
ただし、株主優待は変更や廃止されることがあります。
優待目当てで株を買ったあとに、
- 優待内容が改悪される
- 優待が廃止される
- 業績悪化で株価が下がる
ということもあります。
優待はあくまでプラス要素として考え、基本は会社の業績や事業内容を見ることが大切です。

株で損をする場面については、「株で損するのはどんなとき?初心者が知っておきたいリスク」でも詳しく解説しています。
配当金や株主優待だけで選ばない
配当金や株主優待は、個別株の大きな魅力です。
株を持っているだけで配当金がもらえたり、商品や割引券などの優待を受け取れたりする場合があります。
これは、会社を直接選ぶ個別株ならではの楽しさともいえます。
ただし、配当金や株主優待だけで株を選ぶのは注意が必要です。
配当金は、会社の業績によって減ることがあります。
業績が悪化すれば、配当が減ったり、なくなったりする可能性もあります。
株主優待も同じです。
会社の方針変更や業績悪化によって、内容が変更されたり、廃止されたりすることがあります。
配当や優待は魅力的ですが、それだけで判断するのではなく、
その会社が安定して利益を出せているか
を見ることが大切です。
配当金や株主優待が魅力的なら、それだけで選んでもいいのかな?
配当は減ることがあり、優待も変更や廃止があります。魅力の一つとして見つつ、会社の業績も確認しましょう。
初心者が避けたい銘柄の特徴
初心者が株を選ぶときは、「良さそうな銘柄」を探すだけでなく、「避けたほうがよさそうな銘柄」を知っておくことも大切です。
たとえば、次のような特徴がある場合は慎重に見たほうがよいです。
赤字が続いている
赤字が続いている会社は、将来的な成長期待で買われている場合もあります。
ただし、初心者にとっては判断が難しいことも多いです。
なぜ赤字なのか、今後黒字化できそうなのかを判断できない場合は、無理に選ばなくてもよいと思います。
配当が無理をしているように見える
利益が少ないのに高い配当を出している会社は、将来的に減配する可能性があります。
配当利回りだけを見ると魅力的でも、その配当が続くかどうかは別問題です。
高配当株を選ぶときは、配当の高さだけでなく、業績や利益も一緒に確認しましょう。
株価が短期間で急騰している
株価が短期間で大きく上がっている銘柄は、期待が先行している場合があります。
もちろん、そのまま成長する会社もあります。
しかし、初心者が勢いだけで飛び乗ると、高値づかみになる可能性もあります。
急騰している銘柄ほど、冷静に見ることが大切です。
事業内容が理解できない
何をしている会社なのかよくわからない場合、その会社の強みやリスクも判断しにくくなります。
初心者のうちは、自分が理解できる事業をしている会社から見たほうが安心です。
財務が弱い
財務とは、ざっくり言えば会社のお金の状態です。
借金が多すぎたり、利益が不安定だったりする会社は、景気が悪くなったときに苦しくなる可能性があります。
業種によって見方は違いますが、初心者のうちは「お金の状態が極端に悪そうな会社」は慎重に見たほうがよいでしょう。
初心者が最初に見やすい銘柄の特徴
反対に、初心者が最初に見やすいのは、次のような特徴がある会社です。
- 生活に身近な商品やサービスを扱っている
- どのように利益を出しているか理解しやすい
- 売上や利益が比較的安定している
- 無理のない配当をしている
- 財務が大きく崩れていない
- 業界内で一定の存在感がある
- 長く必要とされそうな事業をしている
もちろん、これらに当てはまるからといって、必ず株価が上がるわけではありません。
ただ、初心者が株を見る練習をするなら、事業内容が理解しやすく、業績が比較的安定している会社のほうが入りやすいです。
最初から難しい成長株や話題株を選ぶよりも、
「この会社は何をしているのか」
「なぜ利益を出せているのか」
「これからも必要とされそうか」
を考えやすい会社から見るのがおすすめです。
有名企業だから安心とは限らない
有名な会社は、初心者にとって選びやすく感じます。
普段から商品やサービスを使っている会社なら、親しみもあります。
会社の事業内容もイメージしやすいです。
これは悪いことではありません。
ただし、
有名企業=株価が必ず上がる
ではありません。
どれだけ有名でも、業績が悪化すれば株価は下がります。
また、人気が高い会社は、すでに株価に期待が織り込まれていることもあります。
有名な会社を選ぶときも、
「知っているから買う」
ではなく、
「知っているうえで、業績や将来性も見て買う」
という考え方が大切です。
個別株と投資信託はどう使い分ける?

初心者の場合、いきなり個別株だけで資産運用をする必要はありません。
投資信託を土台にして、個別株は一部で少額から学ぶという考え方もあります。
役割を分けて考えると、次のようなイメージです。
資産形成の土台:投資信託
投資信託は、1本で多くの企業に分散しやすい商品です。
- 多くの企業に分散しやすい
- 少額から積立しやすい
- 初心者でも続けやすい
- 新NISAのつみたて投資枠とも相性がよい
投資信託は、自分で1社ずつ会社を選ばなくても、幅広く分散投資しやすい点が魅力です。
そのため、初心者が資産形成の土台として使いやすい商品だといえます。
興味のある会社に投資する部分:個別株
一方、個別株は自分で会社を選んで投資する商品です。
- 自分で会社を選べる
- 配当金や株主優待を受け取れる場合がある
- 会社を見る力が身につきやすい
- ただし、銘柄ごとのリスクも大きい
個別株は、自分で会社を選べる楽しさがあります。
その反面、会社ごとのリスクも背負うことになります。
つまり、初心者の場合は、
投資信託で広く分散しながら、個別株は少額で学ぶ
という使い分けもあります。
資産の大部分をいきなり個別株に集中させるよりも、投資信託と組み合わせて考えるほうが現実的です。
初心者は投資信託と個別株、どっちを選べばいいのかな?
投資信託で資産形成の土台を作り、個別株は少額で学ぶという使い分けもあります。
投資信託と株の基本的な違いは、「投資信託と株の違いとは?初心者向けにわかりやすく整理」で詳しく解説しています。
さらに、新NISAとの関係まで整理したい方は、「新NISA?投資信託?株?違いを初心者向けに整理します」もあわせて読むと理解しやすいです。
一つの会社に集中しすぎない
株を選ぶときに大切なのが、分散投資です。
どれだけ良さそうに見える会社でも、将来どうなるかはわかりません。
業績悪化、不祥事、景気後退、為替変動、業界全体の低迷など、株価が下がる理由はいろいろあります。
そのため、初心者が個別株を買う場合は、一つの会社に資金を集中させすぎないことが大切です。
たとえば、資産の大半を1社の株に入れてしまうと、その会社の株価が大きく下がったときに、資産全体へのダメージも大きくなります。
個別株は、自分で会社を選べる楽しさがあります。
その反面、会社ごとのリスクも背負うことになります。
だからこそ、
株を選ぶ力と同じくらい、分散する力も大切
です。
分散投資の大切さについては、「分散投資はバカにできない。年利5%でも大きな力になる理由」でも詳しく解説しています。
株を買う前のチェックリスト
初心者が株を選ぶときは、次のように確認すると整理しやすいです。
- その会社が何をしているか説明できるか
- 売上や利益は安定しているか
- 赤字が続いていないか
- 株価が安い理由、高い理由を考えたか
- 配当金は無理なく出ていそうか
- 優待だけで選んでいないか
- 借金が多すぎないか
- 株価が急騰している理由を確認したか
- 自分が理解できる範囲の投資か
- 一つの会社に資金を集中させすぎていないか
- 投資信託とのバランスは取れているか
全部を完璧に判断する必要はありません。
ただ、このチェックをするだけでも、「なんとなく買う」から一歩進めます。

初心者は「買う理由」を言葉にできるかが大切
株を買う前に、ぜひ考えたいことがあります。
それは、
なぜその株を買うのか
を自分の言葉で説明できるかどうかです。
たとえば、
「有名だから」
「株価が下がっているから」
「SNSで話題だから」
「配当利回りが高いから」
だけだと、少し理由としては弱いかもしれません。
一方で、
「この会社は安定した利益を出している」
「事業内容を理解できる」
「配当金も無理のない範囲に見える」
「自分の資産全体の一部として持つ予定」
「長期で見ても需要がありそう」
というように説明できるなら、少し冷静に判断できている可能性があります。
投資では、買ったあとに株価が下がることもあります。
そのとき、買った理由があいまいだと、不安になってすぐに売りたくなります。
逆に、買った理由がはっきりしていれば、株価が下がったときにも冷静に見直しやすくなります。
株の基本から順番に学びたい方は、まず「株とは?」から読み進めると理解しやすいです。少額で始める方法や、株で損をする場面、投資信託との違いもあわせて確認しておくと、より落ち着いて判断しやすくなります。
まとめ|株選びは「株価」ではなく「会社」を見ることが大切
株を選ぶとき、初心者はつい株価や配当利回り、優待などに目が行きがちです。
もちろん、それらも大切な要素です。
しかし、本当に大切なのは、
その会社がどんな事業をしていて、これからも利益を出し続けられそうか
を見ることです。
初心者が最初に見るなら、まずは次の3つで十分です。
- 事業内容が理解できるか
- 売上や利益が安定しているか
- 無理のない配当かどうか
株価が安いから買う。
有名だから買う。
配当が高いから買う。
優待が魅力的だから買う。
これだけで判断すると、思わぬ失敗につながることがあります。
個別株は、自分で会社を選べる楽しさがあります。
ただし、その分だけ判断も必要になります。
最初から完璧に選ぼうとしなくて大丈夫です。
投資信託で資産形成の土台を作りながら、個別株は少額で学ぶ。
このくらいの距離感から始めると、初心者でも株と向き合いやすくなると思います。
関連記事
- 株とは?初心者にもわかるようにやさしく解説
- 株価の仕組みを初心者向けに徹底解説|上がる理由・下がる理由と新NISAとの関係
- 株で損するのはどんなとき?初心者が知っておきたいリスク
- 投資信託と株の違いとは?初心者向けにわかりやすく整理
- 株は何円から買える?最低金額と少額で始める方法を初心者向けに解説
- 新NISA?投資信託?株?違いを初心者向けに整理します
- 分散投資はバカにできない。年利5%でも大きな力になる理由
さらに切り抜き.png)




