投資信託を購入していると、次のような疑問を持つことがあります。

  • 注文したのにすぐ買えない
  • どの価格で買えたのかすぐ分からない
  • 売却したのにすぐお金が戻ってこない

株式投資では、注文した瞬間の株価で売買が成立することが一般的です。しかし、投資信託では少し仕組みが異なります。

投資信託では、注文した瞬間の価格で売買されるわけではありません。

この記事では、投資信託の売買の仕組みについて初心者向けに解説します。

ハリベー

注文したのに、すぐ買えないの?
株みたいにその場で買えるわけじゃないの?

LCM管理人

いいところに気づきましたね。
投資信託は株と違って、価格があとから決まる仕組みなんです。

そもそも投資信託そのものの仕組みを知りたい方は、先に
投資信託とは?もあわせて読むと理解しやすくなります。

この記事でわかること

・投資信託の約定タイミングと価格決定の仕組み
・注文から約定までの流れ
・売却代金が入金されるまでの日数
・初心者が勘違いしやすいポイント

投資信託はリアルタイムで売買されない

株式の場合、株価は市場でリアルタイムに変動しています。

そのため

  • 今の価格で買う
  • 今の価格で売る

といった取引が可能です。

しかし投資信託では、このようなリアルタイム取引は行われません。

投資信託では、1日に1回だけ価格が決まる仕組みになっています。

この価格を 基準価額 と呼びます。
基準価額そのものの意味や計算方法については、
投資信託の基準価額とは?で詳しく解説しています。

投資信託の売買は、次のような流れで行われます。

  1. 注文を出す
  2. 注文締切まで受付
  3. 基準価額が計算される
  4. その価格で売買が成立する

つまり、注文した時点ではまだ価格が決まっていないのです。

この仕組みを「ブラインド方式」という

投資信託では、注文した時点では売買価格が分かりません。

この仕組みを ブラインド方式 と呼びます。

ブラインドとは「見えない」という意味で、
価格が見えない状態で注文する仕組みという意味です。

ハリベー

えっ、価格が分からないまま注文するの?

LCM管理人

そうなんです。
その日の取引が終わったあとに基準価額が計算されるので、注文したときにはまだ価格が決まっていないんです。

投資信託の価格は夜に計算される

投資信託は、多くの株式や債券などをまとめて運用しています。

例えば

  • 日本株
  • 米国株
  • 債券

などを保有していたとします。

これらすべての資産の価格を計算して、
ファンド全体の価値を算出する必要があります。

そして

ファンドの総資産 ÷ 総口数

で計算されたものが 基準価額 です。

この計算は通常、**市場が閉まったあと(夜)**に行われます。

そのため、日中に注文しても、その日の夜に決まった価格で売買が成立します。

なお、日本株など国内資産のみで運用される投資信託では、注文した日の基準価額で約定するケースが多いです。

一方、海外資産を含む投資信託では、海外市場の価格を反映する必要があるため、約定が翌営業日になることがあります。

まとめると、

  • 国内資産のみ → 当日約定が多い
  • 海外資産を含む → 翌営業日約定が多い

投資信託には注文締切時間がある

投資信託には、**注文締切(カットオフ時間)**があります。

多くの場合、この締切は 15時前後に設定されています。

15時までに注文した場合

その日の注文として扱われ、その日の基準価額で売買されます。


月曜日14:00注文
→ 月曜日の基準価額で売買

15時を過ぎて注文した場合

翌営業日の注文として扱われます。


月曜日16:00注文
→ 火曜日の注文扱い
→ 火曜日の基準価額で売買

なお、締切時間は証券会社やファンドによって異なる場合があります。

正確な時間は取引画面や目論見書で確認しておくと安心です。

※海外資産に投資する投資信託では、海外市場の価格を反映するため、約定日が翌営業日になる場合もあります。

約定とは?株式との違い

投資信託では、**約定(やくじょう)**という言葉がよく使われます。

約定とは、簡単に言うと

売買が正式に成立すること

です。

株式の場合は

「売りたい人」と「買いたい人」がリアルタイムでマッチすると、その瞬間に約定します。

しかし投資信託では仕組みが違います。

投資信託は

  • 注文をまとめて受付
  • 基準価額を計算
  • その価格で一括処理

されます。

そのため、約定はあとから確定する仕組みになっています。

ハリベー

つまり、株みたいに“今この値段で買う”っていう感じじゃないんだね?

LCM管理人

その通りです。
投資信託は、その日の基準価額でまとめて約定する仕組みなんです。

なお、リアルタイムで売買できる商品との違いを知りたい方は、
ETFとは?もあわせて読むと違いが整理しやすいです。

売却代金はすぐ入金されない

投資信託では、売却してもすぐ現金になるわけではありません。

そのため、売却してから入金まで数日かかるのが一般的です。

売却代金が口座に入る日は 「受渡日」 と呼ばれ、通常 3〜5営業日後 になります。

これは、投資信託が保有している

  • 株式
  • 債券

などを売却して現金化する必要があるためです。

そのため、売却してから入金まで数日かかるのが一般的です。

なお、「いつ売るか」そのものに迷っている方は、
積立投資はいつ売る?出口戦略を初心者向けにやさしく解説も参考になります。

具体例:eMAXIS Slim オールカントリーの場合

人気の投資信託 **eMAXIS Slim オールカントリー(オルカン)**でも、基本的な仕組みは同じです。

オルカンは

  • 米国株
  • 欧州株
  • 新興国株

など、世界中の株式に投資する投資信託です。

海外市場は日本時間の夜に取引され、米国や欧州の終値が日本時間の深夜〜早朝に確定するため、基準価額の計算には時間がかかります。

例えば

月曜日午前に注文した場合

  1. 月曜日:注文
  2. 火曜日:基準価額計算
  3. 火曜日夜:基準価額更新

つまり

月曜日に注文しても火曜日の基準価額で約定する

仕組みです。

なお、基準価額や純資産総額は多くの場合
営業日の21時30分頃に更新されます。

eMAXIS Slim オールカントリー(オルカン)がどんな投資信託なのかを先に知りたい方は、全世界株式とは?も参考にしてみてください。

初心者が勘違いしやすいポイント

投資信託では、初心者がよく勘違いするポイントがあります。

注文した瞬間の価格で買えるわけではない

投資信託では、注文した時点では基準価額がまだ決まっていません。

そのため

「今この価格だから買おう」

と思って注文しても、実際の購入価格は変わることがあります。

基準価額は1日1回しか決まらない

投資信託の価格は、株式のようにリアルタイムで動くわけではありません。

1日1回だけ計算される仕組みです。

売却してもすぐ現金にならない

売却しても資金が口座に戻るまで数日かかります。

これは投資信託の仕組み上、自然な流れです。

オルカンS&P500に長期で積立投資する場合、このような売買タイミングのズレは ほとんど気にする必要はありません。長期投資では誤差のようなものです。

まとめ

投資信託の売買には、次のような特徴があります。

  • 注文した瞬間の価格では売買されない
  • 1日1回決まる 基準価額 で売買される
  • 注文には 締切時間(15時前後) がある
  • 売却代金は 3〜5営業日後に入金される
  • 売買が成立することを 約定 と呼ぶ

株式とは少し仕組みが違いますが、投資信託は

  • 長期投資
  • 積立投資

を前提とした金融商品です。

仕組みを理解しておけば、価格のズレや入金タイミングにも落ち着いて対応できます。
安心して長期投資を続けていきましょう。

ハリベー

なるほど!
注文した瞬間の価格じゃない理由がやっと分かった!

LCM管理人

仕組みを知っておくと、価格のズレや入金タイミングにも慌てなくて済みますね。