PERとは?株価の割高・割安がわかる?計算方法と見方を初心者向けに解説
株式投資のニュースや企業情報を見ていると、「PERは20倍です」「この株はPERが高い」「PERが低いから割安だ」といった言葉をよく見かけます。
でも投資を始めたばかりだと、「20倍って高いの?低いの?」となりますよね。
PERは、株価と企業の利益を比べるための代表的な指標です。
ただし、PERが低い=必ず割安、PERが高い=必ず割高という単純なものではありません。
この記事では、PERの意味から計算方法、EPSとの関係、初心者がPERを見るときのポイントまでやさしく解説します。

結論|PERは「株価が1株あたり利益の何倍か」を見る数字
PERは、Price Earnings Ratioの略で、日本語では株価収益率と呼ばれます。
計算式はとてもシンプルです。
たとえば、株価が1,000円、EPSが100円なら、
つまり、その会社が1株あたり稼いでいる利益の10倍の価格で株が買われているということです。


そもそもEPSって何?
PERを理解するには、まずEPSとの関係が重要です。
EPSは、1株あたり利益のことです。簡単にいうと、会社が稼いだ最終的な利益を、株式の数で割った数字です。
たとえば、会社の利益が1億円、発行済み株式数が100万株なら、
これは、1株という持ち分に対して、会社が100円の利益を生み出したという意味です。
ただし、EPS100円がそのまま配当金として株主に配られるわけではありません。EPSは「1株分に換算した会社の稼ぐ力」を表す数字で、実際の配当額は会社が別に決めます。
その後、会社の利益が増えて、EPSが100円 → 120円へ成長したとします。
株価が1,000円のままなら、PERは次のように変わります。
EPS100円のとき
1,000円 ÷ 100円 = PER10倍
EPS120円になったとき
1,000円 ÷ 120円 = 約8.3倍
つまり、株価が変わらなくても利益が増えればPERは低くなるんです。
企業の利益が伸びる → EPSが伸びる → 株価とのバランスが変わる → PERも変化する、という関係があります。

PERが高いとはどういうこと?
一般的には、PERが高いほど、現在の利益に対して株価が高く評価されている状態です。
たとえばEPSが100円の会社なら、
| 株価 | EPS | PER |
|---|---|---|
| 1,000円 | 100円 | 10倍 |
| 2,000円 | 100円 | 20倍 |
| 3,000円 | 100円 | 30倍 |
では、PER30倍なら高すぎるのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
市場が「この会社は今後かなり利益を伸ばしそう」と期待している企業では、高いPERになることがあります。
たとえば現在のEPSが100円でも、数年後に100円 → 150円 → 200円と成長すると期待されていれば、現在の株価が高くても投資家が買うことがあります。


PERが低いなら割安なの?
ここも初心者が間違えやすいポイントです。
PERが低い企業を見ると、「安い!買い時だ!」と思いたくなります。
でも、PERが低い=必ずお買い得ではありません。
PERが低い理由として、次のようなケースも考えられます。
- 今後利益が減りそう
- 事業の成長が鈍っている
- 景気悪化の影響を受けやすい
- 一時的に利益が大きく出ている
- 投資家から高く評価されていない
市場が「今の利益は続かないかもしれない」と思っていれば、株価があまり上がらずPERが低くなることがあります。

高PERと低PERを比較してみよう
たとえば、2つの会社があるとします。
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 株価 | 3,000円 | 1,000円 |
| EPS | 100円 | 100円 |
| PER | 30倍 | 10倍 |
| 市場の期待 | 高成長 | 成長鈍化 |
数字だけならB社の方が安く見えます。
でもA社が今後大きく成長し、EPSが増えるなら、現在のPER30倍が将来は低くなる可能性があります。
逆にB社の利益が減れば、「PER10倍だから割安だった」とは言えなくなることもあります。

PERは何倍なら適正なの?
ここで、「じゃあPERは何倍なら安いの?」と思いますよね。
残念ながら、「PER○倍なら必ず割安」という共通の答えはありません。
企業によって成長率も違えば、業種も違うからです。
そのため初心者なら、次の2つの比較が分かりやすいです。
- 同じ業種の会社と比べる
- その会社の過去のPERと比べる
たとえば普段PER15〜20倍で評価されている会社が、一時的にPER40倍になっているなら、「いつもより期待がかなり高まっているな」と考える材料になります。
「予想PER」と「実績PER」の違い
PERには、大きく分けて実績の利益を使うPERと、これからの予想利益を使うPERがあります。
ニュースや証券会社の画面では、今後の利益予想を使った予想PERを見ることも多くあります。
株価は将来への期待で動くため、「これからどれくらい稼ぎそうか」を使って株価を見るわけです。
ただし予想はあくまで予想なので、企業業績が悪化すればEPS予想も下がり、その結果PERも大きく変わることがあります。
赤字企業ではPERを使いにくい
もうひとつ覚えておきたいのが、赤字企業ではPERがあまり役に立たないということです。
PERは「株価 ÷ EPS」で計算します。
企業が赤字になるとEPSもマイナスになるため、通常の「PER○倍」という比較が意味を持ちにくくなります。
その場合はPERだけではなく、売上成長や財務状況、将来の黒字化見通しなど別の材料を見る必要があります。
金利が上がると高PER株が売られやすいのはなぜ?
PERは、金利とも関係します。
金利が低いときは、「多少PERが高くても、将来大きく成長する企業に投資したい」という資金が入りやすくなります。
一方、金利が高くなると、安全性の高い債券などでも利回りを得やすくなります。
すると、将来の成長を期待して高い価格を払っている高PER株の魅力が相対的に下がることがあります。
そのため金利上昇局面では、成長株や高PER株の株価が下がりやすくなることがあります。
PERが高い=バブルではない
PERが非常に高いと、「これはバブルなのでは?」と思うかもしれません。
でも、PERだけでバブルとは判断できません。
高PERでも将来の利益が大きく伸びれば、その評価が正当化される場合があります。
逆に、利益がほとんど伸びていないのに株価だけが大きく上昇している場合は、期待が先行している可能性があります。
大切なのは、株価だけを見るのではなく、利益成長とのバランスを見ることです。
オルカンやS&P500投資家もPERを見る必要がある?
オルカンやS&P500へ長期投資している人が、毎日PERをチェックする必要はありません。
ただ、PERを知っていると、「今の株式市場は企業利益に対してかなり期待されているのかな?」という市場の温度感を理解しやすくなります。
ただし、PERが高いから売る、PERが低いから買うと機械的に判断する必要はありません。
インデックス投資家なら、市場を理解するための材料のひとつくらいに考えるのがちょうどいいでしょう。

PERや企業情報を実際に確認してみるなら
証券会社のサイトやアプリでは、株価だけでなくPER・EPS・業績などの企業情報も確認できます。これから新NISAや株式投資を始める方は、取扱商品・手数料・情報の見やすさなども比べながら、自分に合った証券会社を選びましょう。
PERを見るときの4つのポイント
- PERは株価 ÷ EPS
- 高い=必ず割高ではない
- 低い=必ず割安ではない
- 利益成長と一緒に見る


まとめ|PERは「株価と企業利益のバランス」を見る指標
PERは、株価が1株あたり利益(EPS)の何倍まで買われているかを見る指標です。
計算式は、PER=株価÷EPSです。
PERが高ければ、利益に対して株価が高く評価されています。PERが低ければ、利益に対して株価が低く評価されています。
ただし、高PER=割高、低PER=割安と単純に判断することはできません。
企業の成長期待や今後の利益予想によって、適正なPERは変わります。
初心者なら、PERそのものを見るだけではなく、「なぜこのPERになっているのか?」を考えてみるのがおすすめです。
企業決算、EPS、将来の成長期待。これらを一緒に見ると、株価がなぜその価格で評価されているのかが少しずつ分かるようになります。

※本記事は投資の仕組みを分かりやすく解説することを目的としており、特定の金融商品や個別銘柄への投資を推奨するものではありません。
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