企業情報を見ていると、「ROE 12%」「ROEが高い企業」「資本効率が良い」といった言葉を見かけます。

でも投資初心者だと、「ROEが高いと何がいいの?」「何%なら優秀なの?」と感じますよね。

ROEは、企業が株主から預かったお金を使って、どれくらい効率よく利益を生み出しているかを見る代表的な指標です。

ただし、ROEが高い=必ず良い会社という単純なものではありません。

この記事では、ROEの意味や計算方法、高ROEでも注意したいケース、PBRとの関係、そしてオルカンやS&P500を積み立てる長期投資家がどう見ればいいのかまで、やさしく解説します。

紫のハリベー
ROEが高い会社は優秀って聞くけど、何を比べている数字なんだろう?

結論|ROEは「株主のお金でどれだけ利益を生んだか」を見る数字

ROEは、Return on Equityの略で、日本語では自己資本利益率と呼ばれます。

計算式は、ざっくりこうです。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

たとえば、株主のお金にあたる自己資本が100億円あり、その会社が1年間で10億円の利益を出したなら、

10億円 ÷ 100億円 × 100 = ROE 10%

つまり、株主から預かった100円のお金から、1年間で10円の利益を生み出したイメージです。

青のハリベー
ROEは、会社の大きさではなく「株主のお金をどれだけ上手に使えたか」を見るんだね。
自己資本100億円と利益10億円からROE10%を計算する図解
ROEは「利益 ÷ 自己資本」で、株主資本を使う効率を見る

そもそも「自己資本」って何?

自己資本という言葉は少し難しく見えますが、初心者なら「株主のお金を中心とした、会社に返済義務のないお金」くらいのイメージで大丈夫です。

企業は、そのお金を使って商品を作ったり、設備投資をしたり、人を雇ったりして利益を生み出します。

同じ100億円を使っていても、10億円の利益を出す会社と3億円しか利益を出せない会社では、資本を使う効率が違います。

A社 B社
自己資本 100億円 100億円
利益 10億円 3億円
ROE 10% 3%

この場合、A社の方が同じ自己資本から多くの利益を生み出していることが分かります。

同じ自己資本でも利益とROEが異なる2社を比較する図解
同じ100億円でも、利益を生み出す力によってROEは変わる

ROEは高いほど良いの?

基本的には、ROEが高い会社ほど、株主のお金を効率よく使って利益を生み出していると考えられます。

ただし、ROEは高ければ高いほど無条件で良い、という数字ではありません。

たとえばROEが高くても、その理由が次のようなものなら注意が必要です。

  • 一時的な利益でROEだけが跳ね上がっている
  • 自己資本が極端に小さくなっている
  • 借金を多く使って利益を増やしている
  • 本業の成長ではなく特殊な要因で利益が増えている

大事なのは、「ROEが何%か」だけではなく、「なぜそのROEになっているのか」を見ることです。

赤のハリベー
高ROEでも、利益の中身や借金まで見ないと安心できないんだね。
高ROEでも借金や一時利益などに注意が必要なことを示す図解
高ROEでも、数字が高くなった理由を確認することが大切

ROEは何%なら高いの?

初心者が気になるのが、「結局、何%なら高いの?」というところです。

ただ、ROEには「○%以上なら必ず優良企業」という共通の正解はありません。

業種によって、必要な設備や資本の量が大きく違うからです。

そのため、数字を見るときは次のように比較すると分かりやすいです。

  • 同じ業種の企業と比べる
  • その会社の過去のROEと比べる
  • 1年だけではなく数年の推移を見る

長期投資では、1年だけROEが高い会社より、無理なく利益を伸ばしながら、安定して資本効率を保っている会社の方が理解しやすいでしょう。

ROEが高くなる3つの理由

ROEをざっくり見ると、主に次のような理由で高くなります。

1.利益が増える

一番分かりやすいパターンです。自己資本が同じでも、本業が好調で利益が増えればROEは上がります。

2.自己資本が小さくなる

分母である自己資本が小さくなると、同じ利益でもROEは上がります。

そのため、ROE上昇=必ず業績が良くなったとは限りません。

3.借金などを活用して事業を大きくする

自己資本だけでなく借入金も使って事業を拡大し、利益を伸ばせばROEが高まることがあります。

ただし、借金が増えすぎれば企業のリスクも高くなるため、ROEだけで判断しないことが重要です。

PBRとROEはどう関係する?

ROEは、PBRを理解するときにも重要な数字です。

PBRは、株価が1株あたり純資産の何倍まで評価されているかを見る指標でした。

同じ純資産を持つ会社でも、その資産を使って多くの利益を生み出せる会社の方が、市場から高く評価されやすくなります。

ROEが高い
→ 資本を効率よく利益につなげている
→ 将来も利益を生み出せる期待
→ PBRが高く評価されることがある

逆に、純資産をたくさん持っていても利益をほとんど生み出せない会社は、PBRが低くなることがあります。

PER・PBR・ROEの違いを整理しよう

この3つは似たような場面で登場しますが、見ているものは違います。

指標 見るもの ざっくりした意味
PER 株価と利益 利益に対して株価が何倍か
PBR 株価と純資産 純資産に対して株価が何倍か
ROE 利益と自己資本 株主のお金をどれだけ効率よく利益にしたか

初心者なら、まずは、

PER=利益と株価

PBR=資産と株価

ROE=資産から利益を生む力

くらいに整理すれば十分です。

ROEだけで良い会社か判断してはいけない

ROEは便利な数字ですが、企業の良し悪しを1つの数字だけで判断することはできません。

少なくとも、次のような要素も一緒に見ると分かりやすくなります。

  • 売上や利益が伸びているか
  • 借金が増えすぎていないか
  • ROEが数年間安定しているか
  • PER・PBRが極端な水準ではないか

特に長期投資では、1年だけ数字が良い会社を探すより、長い期間にわたって利益を生み続けられるかを見る方が大切です。

オルカンやS&P500の長期投資家もROEを見る必要がある?

オルカンやS&P500へ積み立てている人が、投資先すべてのROEを毎日確認する必要はありません。

インデックス投資では、個別企業を選ぶことよりも、世界や米国の企業全体の成長に長期で参加することが中心だからです。

それでもROEを知っておくと、ニュースで、

  • 「企業の資本効率改善」
  • 「PBR改善」
  • 「株主還元強化」

といった言葉が出てきたときに、企業が何を改善しようとしているのか理解しやすくなります。

長期投資家にとってROEは、売買のタイミングを当てるための数字ではなく、企業が長期的に利益を生み出せるかを理解するための材料として見るくらいがちょうどいいでしょう。

緑のハリベー
インデックス投資でも、企業がどうやって利益を生んでいるか分かるとニュースが読みやすくなるね。
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ROEや企業業績を実際に確認してみるなら

証券会社のサイトやアプリでは、株価だけでなくPER・PBR・ROE・企業業績なども確認できます。個別株を買わない長期投資家でも、指数に含まれる企業がどんな数字で評価されているのかを見ると、市場への理解が深まります。

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初心者がROEを見る4つのポイント

  • ROE=利益 ÷ 自己資本
  • 高い=必ず良い会社ではない
  • 同業他社・過去の推移と比べる
  • 利益成長・借金・PBRも一緒に見る
初心者がROEを見るときの4つのポイント
ROEも数字1つだけではなく、その背景を一緒に見ることが大切
黄色のハリベー
ROEは「何%か」だけじゃなく、どうやってその利益を生み出したのかを見るんだね。

まとめ|ROEは「企業が資本を利益に変える力」を見る指標

ROEは、株主のお金を使って、企業がどれくらい効率よく利益を生み出したかを見る指標です。

計算式は、ROE=当期純利益÷自己資本×100です。

基本的にはROEが高いほど資本効率が良いと考えられますが、高ROE=必ず良い会社ではありません。

一時的な利益、自己資本の減少、多額の借金などによってROEが高く見える場合もあります。

だからこそ、売上・利益の成長、借金、過去のROE、PER・PBRなども一緒に見ることが大切です。

長期投資では、ROEを売買タイミングの数字として使うより、企業が長い時間をかけて利益を生み続けられるかを理解するための指標として見ると分かりやすいでしょう。

緑のハリベー
長期投資なら、ROEも1年の数字より「利益を生む力が続いているか」を見るのが大事なんだね。

※本記事は投資の仕組みを分かりやすく解説することを目的としており、特定の金融商品や個別銘柄への投資を推奨するものではありません。

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