銀行口座の残高が減っていなくても、物価が上がれば、同じ金額で買えるものは少なくなります。これがインフレによるお金の実質的な目減りです。

この記事では、現在の金額・年数・想定インフレ率を入力すると、将来の購買力や同じ買い物に必要な金額を確認できるシミュレーターを用意しました。運用した場合の「実質価値」も同じ条件で比較できます。

インフレ・購買力シミュレーター
今あるお金、
将来どれくらいの価値?

金額・年数・インフレ率を変えて確認できます

現在の金額と期間を入力してください。インフレ率2%は、日本銀行の「物価安定の目標」を参考にした初期値であり、将来予測ではありません。

年後
%/年
%/年
20年後の購買力 673万円相当

今の1,000万円と比べて、買える量が約32.7%減る試算です。

購買力の目減り 327万円 32.7%分の目減り
同じ買い物に必要 1,486万円 20年後に必要な金額
運用後の実質価値 1,786万円相当 実質年利 約2.9%
運用後の名目額2,653万円
物価上昇を差し引く実質1,786万円

想定利回りがインフレ率を上回っています一定の年5%で運用できた仮定では、物価上昇を差し引いても実質価値が増える試算です。ただし、実際の運用成績は毎年変動します。

※「現金のまま」は利息が付かない前提です。預金金利、投資の値動き、税金、手数料、信託報酬は反映していません。

※CPIは家計全体の平均的な物価変動を示す指標です。住居費・食費・教育費など、実際に感じる物価上昇は家庭によって異なります。入力内容は保存・送信されません。

結論|年2%でも、20年後の購買力は約3分の2になる

年2%のインフレが20年間続くと仮定した場合、現在の1,000万円の購買力は、20年後には約673万円相当です。口座残高が1,000万円のままでも、今と同じ量の商品やサービスを買う力は約32.7%減ります。

現在の金額1,000万円残高の基準
年2%のインフレ20年間毎年少しずつ物価上昇
将来の購買力約673万円相当買える量が約32.7%減少

「1,000万円が673万円へ減る」という意味ではありません。
残高は1,000万円でも、物価上昇後に買える商品・サービスの量を現在のお金へ置き換えると、約673万円相当になるという意味です。

インフレでお金の価値が減る仕組み

総務省統計局の消費者物価指数(CPI)は、全国の世帯が購入する商品やサービスの価格変動を時系列で測る指標です。たとえば、現在100万円で買えるものが、物価上昇によって将来120万円必要になれば、同じ100万円で買える量は減ります。

商品の価格上がる同じ買い物に多くのお金が必要
現金の残高変わらない数字は減っていない
お金の購買力下がる同じ金額で買える量が減る

日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%を「物価安定の目標」としています。ただし、毎年必ず2%になるという予告ではありません。シミュレーターの2%は、長期計画を考えるための一つの仮定として使ってください。

将来の購買力はどう計算する?

現在の金額を、インフレ率で複利計算した物価上昇分で割ると、将来の購買力を現在のお金へ換算できます。

現在の金額1,000万円
物価上昇(1+2%)の20乗
将来の購買力約673万円相当

反対に、「現在の1,000万円と同じ買い物を20年後にもしたい」と考える場合は、1,000万円に物価上昇分を掛けます。年2%なら約1,486万円が必要です。

1%・2%・3%で、1,000万円の価値はどう変わる?

インフレ率が少し違うだけでも、期間が長くなるほど差は広がります。次の表は、1,000万円を利息の付かない現金で持ち続けた場合の購買力です。

1,000万円の将来の購買力(現在価値)
想定インフレ率10年後20年後30年後
年1%約905万円約820万円約742万円
年2%約820万円約673万円約552万円
年3%約744万円約554万円約412万円

インフレ率は一定ではなく、物価が上がりにくい年も、大きく上がる年もあります。表は将来を当てるものではなく、目標額を現在の感覚だけで決めないための幅として見るのが大切です。

名目額と実質価値を分けて考える

資産形成では、画面に表示される金額だけでなく、その金額でどのくらい買えるかも確認します。表示される残高を「名目額」、物価上昇を差し引いた購買力を「実質価値」と考えると分かりやすくなります。

画面に表示される 名目額

銀行や証券口座に表示される金額。物価上昇は差し引いていません。

買える量で考える 実質価値

名目額から物価上昇の影響を差し引き、現在のお金へ換算した価値です。

たとえば1,000万円を年5%で20年間運用できたと仮定すると、名目額は約2,653万円です。しかし年2%のインフレを差し引いた実質価値は約1,786万円相当になります。運用益が消えるわけではありませんが、見た目の増加額と買える量の増加は同じではありません。

インフレ対策でも、現金は必要

現金はインフレに弱い面がありますが、価格が日々変動せず、必要なときにすぐ使える強みがあります。病気、失業、家電の故障などへ備える生活防衛資金まで、インフレを恐れて投資へ回す必要はありません。

近く使う・もしもに備える現金値下がりを避け、すぐ使える状態にする
長く使わない将来資金長期投資価格変動を受け入れ、成長を目指す
インフレ対策=全額を株式へ投資、ではありません

株式や投資信託はインフレを上回る成長が期待できる一方、必要な時期に値下がりしている可能性があります。使う時期が近いお金と、長く使わないお金を分けることが先です。

将来の目標額には、物価上昇を上乗せする

「老後までに2,000万円」「20年後に教育資金1,000万円」などの目標を立てるときは、その金額が現在の価値なのか、将来実際に用意したい金額なのかを整理します。

現在の2,000万円と同じ購買力を20年後にも確保したい場合、年2%の仮定では約2,972万円が必要です。目標額をインフレ分だけ増やすと、毎月の必要積立額も変わります。

老後の取り崩しもインフレの影響を受ける

老後資金では「2,000万円あるか」だけでなく、毎月いくら使うかが重要です。現在の生活費が月20万円でも、年2%のインフレが20年続けば、同じ暮らしに必要な金額は約29.7万円になります。

取り崩し計画を立てるときは、毎月の支出をずっと固定する試算と、物価に合わせて少しずつ増やす試算の両方を見ると、余裕を考えやすくなります。

想定利回りがインフレ率を上回れば安心?

単純な試算では、運用利回りがインフレ率を上回れば実質価値は増えます。ただし、実際の投資では毎年同じ利回りになるわけではありません。価格下落、信託報酬、税金も結果へ影響します。

正確な実質利回りは、「運用利回り-インフレ率」ではなく、運用後の伸びを物価上昇分で割って求めます。年5%運用・年2%インフレなら、実質年利は約2.9%です。

想定運用利回り年5%
インフレの影響年2%
実質利回り約2.9%厳密には割り算で計算

初心者は「現金の土台→少額の積立」で始める

金融庁は、資産形成の基本として家計管理とライフプランニング、金融商品の特徴、長期・積立・分散投資を挙げています。インフレが心配でも、すぐ大きな金額を投資する必要はありません。

STEP 1生活を守る現金を分ける

生活防衛資金と数年以内の予定支出を確保します。

STEP 2目的と期間を決める

いつ使うお金かを決め、インフレを含めた目標額を考えます。

STEP 3少額から積み立てる

値動きを経験しながら、無理なく続けられる金額を探します。

よくある質問

インフレ率2%は毎年続くの?

分かりません。2%は日本銀行の物価安定目標であり、将来の確定値ではありません。実際の物価上昇率は年ごとに変わるため、1%・2%・3%など複数の条件で確認してください。

「673万円相当」になると、口座残高も減る?

いいえ。このシミュレーターの購買力は、将来買える量を現在のお金へ置き換えたものです。現金1,000万円の残高が自動的に673万円へ減るという意味ではありません。

預金金利は反映されている?

現金の購買力は、利息が付かない前提です。預金金利も含めて見たい場合は、「運用する場合の想定利回り」へ預金金利を入力し、実質価値を参考にしてください。税金は別途考慮が必要です。

想定利回りは何%にすればいい?

将来の利回りに正解はありません。0%・3%・5%など複数の条件で試し、低いケースでも続けられる積立額や目標を考えてください。高い利回りを前提に積立額を下げすぎないことも大切です。

インフレ対策として、貯金を全部投資していい?

おすすめしません。生活防衛資金、近い将来に使うお金、値下がりすると困るお金は、現金で分けて確保する考え方が基本です。

まとめ|残高だけでなく、将来の購買力も確認する

  • インフレが続くと、残高が同じでもお金の購買力は低下する
  • 年2%・20年間では、1,000万円の購買力は約673万円相当になる
  • 将来の目標額は、物価上昇分を上乗せして考える
  • 運用結果は、名目額とインフレを差し引いた実質価値を分けて見る
  • 現金と長期投資は役割が違うため、生活防衛資金を先に確保する

インフレ率も運用利回りも、将来を正確に予測することはできません。大切なのは一つの数字を信じることではなく、複数の条件で試し、無理のない積立額と現金の余裕を考えることです。

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参考にした公的情報

※2026年8月10日時点の情報をもとに作成しています。計算結果は一定のインフレ率・利回りが続くと仮定した概算であり、将来の物価・運用成果を保証するものではありません。

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